居場所

火曜日、水曜日と、同じ年のお客さん達が来店
何やろうねぇ、ほぼ初めて話をしたくらいの方やったんですけど
「同年代だから分かる何か・・・」
みたいなんがあるんよねぇ。
きっと、育った環境も、学校も違うんですけど
きっと当時流行っていたマンガや音楽やテレビやモノなどが一緒やし
『超☆就職氷河期』のどん底時代を高校2〜3年生で過ごしていて(今から10年ほど前ですな)
わたしゃ〜、工業高校から進学をしたパイオニアなのですよ
昔ならば工業高校出身だと、1人に対して10社〜20社とか
企業からの就職誘致が引く手あまただったので考えられない事なんだそうな。
そう考えたら、高校2年生になったときに担任の先生から
「おまえ〜、上いくか?」と言われたことがこうなって
デザインの進路に進んで、こーなったわけやからねぇ。面白い。
時代が時代やったら、今の私はきっと
高校を卒業してそのままインテリアデザインの事務所に入って
そのままお父さんの会社を手伝っていたことでしょう。
高校に入る時は「こうなるんやろうな〜」と、思ってたしね。


さてさて、同年代のお客さんと話をするということ
性格の違いや、真面目やった人、ヤンキーやった人、かしこの人・・・などなど
細かい違いはありますけど やっぱり考え方とか悩みとか、雰囲気とかが似てくるのかなぁ
ある程度落ち着きもあるし、けれども落ち着き切っているほど経験もなくて
そやけど、若さ+若干の経験を積んできている年代なので
喋っていると面白くもあるんです。ビバ・20代後半!


同窓会みたいな感じもしなくもない。
人と比べて、自分の現状に焦ったり、羨ましがったり
「くっそー!あいつめっちゃええやん!俺もそんなんがええわー!」
と口に言うて出すほど若くはないけれど
それが分かるような、表情というか受け答えをしはる時がありまして
「お店をやっていると、自分ではないとダメな居場所があるじゃないですか」
と言われて、自分では思ってはいなかったけれども
「自分ではなくても、別にいいんじゃないか」と悩んではったみたいで
仕事のことに関しても、付き合っている人に対しても
今のままでいいのか?と迷っている様子
仕事は、ある程度認められるようになってきたからこそ
納得がいかなかったり、少し引っかかるような疑問があったとしても
今の職場をやめて転職する踏ん切りもつかない。
付き合っている人に関しても
相手の事をたくさん知って 合う所も、合わない所も見えてきたが故に
これから結婚することを考えると
このままずるずると付き合っていっていいのか?と、考えていはったり。


けど、これは私と同じ年代の人にだけ言えることじゃないと思うんですけど
物事に対しても、人に対しても、最後までやってみないと分からないことなんよな。
今が辛くて、ダメなのかなぁ?と思っていても
変えてしまったり、止めてしまったら分からないと思うんよね
ほんま、死んだ時にしか「最終的にこれでよかったのか」は分からへんもん。
あと、やめるにしろ、続けるにしろ、それが良いとか悪いとか
決めることも自分にしか出来ない事なんやよな。


毎日が真面目な話ばーっかりしていることもないんですけど
たまたま2人っきりで真面目な話をしていても
そこに1人が加わる事によって がらっと空気が変わって楽しい話になったり
ほんとーに、毎日人の数の分だけ出来事とか思う事があって
自分は何の手助けが出来るわけでもないし アドバイスできる経験もないので
ただ、うんうん。と聞いているだけなんですけど
(左から右へ受け流している時かって多々ありますぜ)
そやけども、こんなに色んな人と話をできるということは
私にとって ものすごい経験なんよなぁ〜と思うのです。


家族とか、付き合っている人、職場の人達と話することはあっても
まったく初対面なはずなのに ぶっちゃけて話してくれはったりすると
驚きつつも、この人を知ってみたいと思って、また話を聞いて
お客さんとの距離が少し近くなっていく。
なんやろーなぁ。ひとって面白いなぁ〜と思います。
店というものがなかったら、こんな経験は出来なかったんよな


完璧な人もいないし、全く全部がダメダメな人もいなくて
みんなそれぞれ、良いとこも悪いところもあるんよなぁ。


この前、はるちゃんと瑠美子と会うた時の帰りに
ふーと気付いたら
「あ、今日は5月10日や!今日で店をやって丸3年やわ〜。」と思ったんですけど
1年目は、とにかく何も考えすに思うまんま突っ走って
2年目は、よく悩んだし、考えたなぁ。あと脱走もした!
3年目は、落ち着いたというか・・・ちょっと認められたかな?と思える事があったし
さてさて、4年目はどーなるんでしょう?
面白い方向に進んでいればいいなぁ〜と思う毎日でございます。
いや、進めなければならんねんけどね
舵を取るのは自分自身なので そのことをちょこっと念頭において
ほどよく流れに任せて ときどき方向を修正しつつ 進んでいこーと思います。


ほんま、店をやるっていうのは 船を操縦する感じに似てるような気がします
船を運転したことはないけれども・・・
パイレーツ・オブ・カリビアンの1を見たときに
ジャック・スパロウが何であんな汚くて小さい船を取り戻そうと必死になってるんやろう?と思ってたんですけど
(まぁ、あれは物語ですけれども)
あのテキト〜でいい加減〜な、ジャック船長が
自分の一番の居場所であるブラック・パール号が愛しくてたまらんくて
それを必死になって取り戻そうとする気持ちも分かるんよね。


日曜日くらいにゆーさんが取ってくれた前売り券を使いましてパイレーツ3を観に行きますぞ。
ま、私はブラック・パール号目線で見たいと思います。(たぶんね)